ヨルムンガンドの感想(中間)

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ランキング入り作品

いわゆる観ててカッコイイ作品でありながら,テーマ設定が武器・戦争となっているので思索を巡る好材料があちこちに散らばっていて面白い作品です。
似たようなテーマ設定の作品で想起するのはBLACK LAGOONBLACK LAGOON SET1 〈期間限定生産〉 [DVD]ですね。BLACK LAGOONは大好きな作品の1つなのでいつか何か書きたいのですが,とりあえず措いて,ヨルムンガンドは海運運送屋の話ではなく,武器商人を中心に据えたお話です。

私がこの作品で注目しているのは,元少年兵とされるヨナ(ジョナサン・マル)がどのように復讐心を昇華させ成長してゆくのかという部分と,ココ・ヘクマティアルの武器商人として活動する動機の解明というメインストリームまんまの部分です。どちらも非常に興味深い。





1,ヨナの復讐心
ヨナは,両親の死やマルカの死を通じて,武器を恨んでいる。武器を扱う者に対する復讐心が強いと見受けられます。他方で,武器があったおかげで自分の命が繋がってきている事実もある。この矛盾を武器商人とともに戦地を渡り歩くことで如何に昇華してゆくのかというのが注目部分です。たぶん,この視点で本作品を観ている人は多いと思います。ココに撃つなと止められたり,世界平和のために武器を売るという発言を聞かされたりして,武器とヨナの関係にも揺れが生じます。そんな中で発した「僕はこの世界が好きなんだ」というココとの会話での発言は,何かが見えたかのようでした。しかし,「お前のことをまめに手入れする程好きではない,でも,お前がしっかりしてくれないと僕が困る」という武器の手入れをしているときの独り言からは,彼の中でまだ矛盾したままのように思わせます。今後が楽しみです。






2,ココの動機
なぜ武器を売るのかという問に「世界平和のために」と答えるココの動機がまだ私には理解できていません。武器を売れば戦争に使われ惨劇を生むのが通常であり,平和とは真逆の存在が武器だと思えます。まさか,武器があるから襲われないという抑止力のお話ではないでしょう。武器を通じてどこかの国なり組織なりが世界を統一して武器を使わなくてもよい時代が訪れる,みたいな話でもないはずだと思っています。それゆえ,どう話を展開させるのか,ワクワクしています。オーケストラ(殺し屋の名前)との攻防で,チナツに対してココは武器を売る動機を話していますが,それに対するチナツの反応が,「悪魔」でした。うーん,なんだろう。期待を裏切ってきそうなので楽しみに観ています。


とまぁ,理屈はこのくらいにして。ガン・アクションはカッコイイですね。迷彩服が動くというのはアニメーションの技術的に相当労力がかかっているそうです。ありがたいもんだ,と思いながら観ています。オーケストラとの攻防はもう少し観ていたかった。ハラハラしていたかったですね。彼ら,強かったですから。チナツがノーパンというのも一興でしたし(爆)。

あれ,ヨナってどっかでも殺し屋っぽうことやっているかと思ったら中の人がソーニャちゃんだった(cv田村睦心さん)というのは結構みんなが思ったらしいですねー

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